目の前に、本当に壁はありますか?―一般社団法人SSP(サイドスタンドプロジェクト)
2021年7月中旬の昼下がり、長田龍司さんはオートバイにまたがって、真っ直ぐ前を向いていた。何しろ28年ぶりのライドだ。表情はやや堅い。両脇と背後にはスタッフが8人。濃紺のTシャツ。胸に大きく〈SSP〉の文字がある。サイド(S)スタンド(S)プロジェクト(P)。障がいのある人にも、オートバイに乗る喜びを感じてほしい。その姿を傍から、後ろから、全力で支えたい——。そんなプロジェクトだ。会場にいる誰もが言う。「ここは、バイクばかの集まり」。参加者もスタッフも、とてもうれしそうに言う。SSPはなぜ始まったのか。2年目を迎えた体験走行会を取材した。