【CYCLE MOVIE#3】毛髪を使ってオーバートレーニング症候群を予防!―ガールズケイリン選手が大学の研究室を訪問―
youtu.beそうした課題を解決するため研究に取り組むのが新潟医療福祉大学 健康科学部の講師、越智元太さん。アスリートを主な対象に「毛髪を使ったアスリートのコンディション評価方法の開発」を進めています。この研究に競輪とオートレースの補助事業が活用されていると知り、ガールズケイリンの高木佑真選手が大学の研究室を訪れました。
変動の激しいストレス値を、毛髪で正確に計測
この日、高木選手を迎えてくれたのは越智先生と、新潟医療福祉大学の陸上部に所属する清水さん。清水さんは長距離種目で数々の大会や駅伝に出場するアスリートでもあり、本研究にも積極的に協力されています。

高木選手(左)を迎える越智先生(右)と清水さん(中央)
高木選手:「今日はよろしくお願いします。研究についてぜひ詳しく教えてください!」
越智先生:「高木選手、よく来てくれました。スポーツをしている方ならオーバートレーニング症候群はよく聞く言葉ですよね。でも実は明確な診断基準はなく、発症原因も解明されていません。予防には原因解明が必要だと考え、私はまずストレス値と運動パフォーマンスの関連性に注目しました」
そう言って、研究に至るまでの経緯や今までの成果を説明する越智先生。人間は体に負担がかかったり強いプレッシャーを感じたりすると、体内でコルチゾールというストレスホルモンを発生させることも教えてくれました。この成分が多いほど、体はストレスを感じるそうです。
越智先生:「協力者から毎月毛髪を採取してコルチゾール値を計測し、同月のトレーニング内容や心理状況との関連を調べました。血液や尿でも計測は可能ですが、数値の変化が激しいため1日に何度も採取しなければいけません。それだとちょっと面倒ですよね」
高木選手:「確かに1日に何度も採取するのは大変そうです」
越智先生:「毛髪なら月1回の採取で測定できるので、継続しやすいなどのメリットもあります」
続いて、越智先生は清水さんの計測データを見せてくれました。ケガをして練習量が減った時期はコルチゾール値が下がり、回復後、大会に向けて練習を再開するとコルチゾール値も上昇しているとわかります。

約2年にわたる計測データのグラフを紹介
「ケガをしているとストレスを感じそうなのに、回復後の方がストレス値は高いんですね」と、高木選手は感想を伝えます。
越智先生:「休んでいる間はトレーニング量が減り、体への負担も少なかったからでしょうね。“オーバートレーニング症候群にならないためにトレーニング量を減らそう”と言うのは簡単ですが、それではアスリートが望む結果は出せません。大事なのはオーバートレーニングにならず、好成績が出せるベストなラインを知ることです」
学生時代はローイング競技選手として活躍されていたという越智先生。練習をやるほど成績が上がる感覚や、より上を目指して頑張りたい気持ちをよく理解していることも、研究への熱意につながっているのかもしれません。
研究速度を上げた補助事業の存在
研究データを見た後、高木選手は毛髪を採取する様子の見学へ。

慣れた手つきで毛髪を採取する越智先生
越智先生:「これまでに大学生アスリート60名、一般の方40名ほどの毛髪を採取してきました。ただ、ストレス値の計測や測定機器の導入には費用がかかります。競輪とオートレースの補助事業を活用していなければこれほどのデータは集まらなかったでしょうね。おかげで研究の速度も格段に上がりました」

実際に採取された毛髪サンプル。一度の計測に10〜20本採取します
研究成果の話を聞いて、高木選手も「私たちの活動によって生まれた売上の一部が、研究に貢献しているかと思うと嬉しいです」と伝えます。
アスリート目線で語るオーバートレーニング問題
すでにアスリートとして活躍する高木選手や、卒業後は実業団への所属が決まっている清水さんは、まさに研究の当事者。日々のトレーニングをこなす中、どんな悩みを抱えているかを話してもらいました。

アスリート目線で語り合う高木選手と清水さん
高木選手:「清水さんは、どうして研究に協力しようと思ったのですか?」
清水さん:「私はケガの頻度が多いんです。以前は“ケガをしないようにもっと頑張らないと!”と練習に励んでいましたが、その行為がむしろケガやオーバートレーニングにつながっているかもしれないと考えるようになりました。越智先生の研究を知り、ケガを予防するにはストレス評価が大事なのではないかと思ったんです」
高木選手:「疲労が蓄積するとケガをしやすいと言いますよね。ガールズケイリンは月2〜3回はレースに出場しますし、日々のトレーニングもスピード重視からパワー重視なものまで幅広くこなしています。油断するとオーバートレーニングになりやすい競技かもしれません。越智先生の研究が、私たちの悩みや問題を解決するきっかけになると嬉しいですね」
すべての人に無理のないスポーツ習慣を届けるために
その後、大学のトレーニングセンターなどを見学しながら、改めて高木選手と越智先生で今日の感想などを伝え合います。
越智先生:「私はアスリートを指導するトレーナーと話す機会も多いですが、“何故わざわざ毛髪を使うのか。自己申告でいいのではないか”と聞かれたりもします。正しく自己申告できればいいですが、アスリートの中には自分のストレス状態を自覚できていない人や“オーバートレーニングだと言ったら甘えだと思われないか”などの不安からごまかしてしまう人もいると思うんです。自分の状態を数値で示せれば“今日はストレス値が高いからトレーニングをやめておこう”などの会話もしやすくなると考えています」

過去に対面したアスリートや指導者とのやり取りを振り返る越智先生
高木選手:「最初に毛髪を使った研究だと聞いたときは、ストレスによって白髪が増えるなどといったお話を聞くのかとイメージしていました。でも実際に研究の様子を見せてもらったら予想と違っていて、どのお話もとても興味深かったです。私も毛髪を計測して欲しいと思いました」

研究の今後の展望に耳を傾ける高木選手
越智先生:「いつでも計測しますよ!今はアスリートが主な対象ですが、いずれは部活に励む子どもたちや高齢者の方など対象を広げたいと考えています。1人でも多くの人が不安なくスポーツに集中できるよう私も頑張ります」
高木選手:「越智先生の研究は、スポーツ業界にとってプラスな価値を生み出してくれると思います。今日はありがとうございました。これからも頑張ってください!」

研究が進めばオーバートレーニング症候群に悩む人が減るのはもちろん、社会全体の運動習慣が促進されるきっかけにもなるのではないでしょうか。競輪とオートレースの補助事業は、未来のためにチャレンジする人や事業を応援し続けます。
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