世紀の発見を生むのは、“あたたかい考古学”?—アナトリア考古学研究所
「古代文明の歴史」が大きく変わるかもしれない。それも、私たちの生活に身近な「鉄の歴史」が——。製鉄技術はこれまで、約3400年前に現在のトルコ共和国で生みだされたと考えられてきた。しかし近年、さらに1000年ほど古い地層から製鉄の痕跡が見つかったのだ。発掘調査を手がけたのが、中近東文化センター(東京)に付属するアナトリア考古学研究所。所長の大村幸弘さんらはトルコ国内の遺跡で、45年以上にわたって発掘調査を続けてきた。なぜ研究所は「世紀の発見」を生みだすことができたのだろうか。そもそも、なぜ日本人が外国でこれほど長く発掘作業を続けられているのだろうか。その背景には、研究所が設立時から取り組...