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youtu.be2025年3月30日。CoREの準決勝・決勝リーグが京都市の島津アリーナで開催されると聞いて、京都出身のオートレーサー、西翔子選手が応援へと駆けつけました。
西選手を迎えてくれたのは、選手権を主催する一般社団法人次世代ロボットエンジニア支援機構の元理事の西本淳一さん。選手権の概要やコンセプトを説明しながら、会場を案内してくれます。
西選手(左)を迎える西本さん(右)
西本さん:「私たちは次世代エンジニアを育成するため、CoREのような選手権の開催・運営を始め、ロボットチームの運営や講演活動などさまざまなことに取り組んでいます」
西選手:「CoREはどんな選手権なのですか?」
西本さん:「ロボットのイベントと言えばロボット本体に注目が集まりがちですが、CoREはエンジニア本人やロボットをつくる過程に焦点を当てた選手権。学生から社会人まで幅広い層の人が全国から出場しており、チームで戦いを繰り広げていきます」
西本さんの言う通り、会場にはエンジニアにフォーカスしたのぼり旗が並ぶなど、ロボットよりも出場者メインの演出が数多く見受けられます。「ルールなどはバトルを観戦しながらご説明します!ぜひ一緒に観戦しましょう」と言う西本さんと共に、西選手は観覧席へ向かいます。
いざ戦いの場へ。白熱するバトルを観戦
リーグ会場に入ると、準決勝の真っ最中!プロのキャスターがMCや実況を務めたり、スモークが炊かれていたりと、会場全体が熱気に包まれています。
リーグ会場の様子。BGMや照明による演出も本格的
西本さん:「エンジニアはステージ外の操縦席にいて、ロボットに搭載されたカメラの映像を見ながら戦います。ロボットから射出する“フライングディスク”を相手ロボットに当ててHPを削り、相手チームの撃破を狙います。決勝戦でのバトルは5分×最大5ラウンド。先に3本先取したチームが勝利です。ロボットの細かな設計方法はチームごとに異なり、同じような設計に見えても、戦いが始まると動き方などにそれぞれ個性があって面白いですよ」
西本さんにルールを説明してもらいながら選手権を観賞する西選手
CoREの特徴は、戦いに敗れたチームが勝ったチームの「同盟」に加わり、共に頂点を目指すこと。リーグが進むごとに同盟規模が大きくなり、より白熱した盛り上がりを見せます。
準決勝の観戦後、西選手は西本さんと一緒に各チームがロボットを整備する現場を見学したり、2024年に開催されたCoREで競技優勝に輝いた「大ロボーズ」にインタビューしてみたりと、エンジニア本人から直接お話を聞く場面もありました。
「大ロボーズ」からお話を聞く西選手と西本さん
西選手:「ロボットがどんな風につくられているかを知ることができました。私たちオートレーサーは自分でバイクを整備しますが、同じ整備でもロボットとバイクではやり方が全然違いますね。私はみなさんのように機械を操作する機会がないので新鮮です」
マルシェやロボット体験を楽しみ、いよいよ決勝リーグへ
決勝リーグが始まるまでの時間、西選手は会場内にあるマルシェコーナーへ。地元でつくられた京野菜やハチミツの他、ハンドメイドの雑貨やアクセサリーなどが販売されていました。京都産のお茶を販売する舞妓の茶本舗では、「茶ムライ」がその場で点てた抹茶の試飲もできます。
世界に抹茶の魅力を伝える「茶ムライ」。抹茶アートも披露してくれました
西選手:「抹茶、おいしいです!このマルシェをめぐるだけで京都の魅力が伝わりそうですね」
西本さん:「CoREは京都のいろんな会場で開催してきましたが、島津アリーナほど大きな会場での開催は今年が初めてです。ロボットに興味がある人はもちろん、お子さんと一緒に来た親御さんなど、ロボットに馴染みがない人も楽しめるイベントにしたいと考えていたところ、京田辺農福観地域づくり協議会さんが協力してくれ、いろんなジャンルのお店が出店できました。とても感謝しています」
西選手:「私は京都出身なので、CoREを通じて京都の魅力がみなさんに広まると思うと嬉しいです」
また、ロボット体験コーナーではフライングディスクを当てる操作にも挑戦。なかなか当てられず、中学生 スタッフの方がお手本としてスムーズに操作する様子を見て感心する場面もありました。
ロボット操縦を体験する西選手
そして、いよいよ決勝リーグがスタート!会場の熱気もエンジニアたちの志も最高潮に高まっていました。西選手も再び観戦席へ戻り、「最後は出てくるロボットの数も増えるそうで、どんな戦いになるのか楽しみです!」と全力で応援します。
決勝リーグの様子。操縦席なども見学し、エンジニアたちの熱気を感じます
決勝リーグは大接戦。エンジニアの叡智が集結した戦術で、両チーム一歩も譲りません。競技優勝を獲得したのは「AGA’star.同盟」。最後、エンジニアとしての総合力を測る総合優勝に輝いたのは「MA-KING」でした。
エンジニアに「憧れる心」を育てていくために
観戦後、一般社団法人次世代ロボットエンジニア支援機構の代表理事である川節拓実さんにお話をうかがいました。
選手権への思いを語る川節さん
川節さん:「今日は応援に来ていただきありがとうございます!選手権をご覧になってみていかがでしたか?」
西選手:「みなさんの熱量が高く、迫力を感じました。決勝リーグが始まる前の雰囲気もすごくて、“オートレースもこんな風に盛り上がればいいな”と思ったぐらいです!」
川節さん:「ありがとうございます!私たちは、CoREをオートレースなどのスポーツと同じような存在にしたいと考えています。スポーツの世界は“選手に憧れてこの競技を始めた”という方が多いですよね。CoREも参加者にフォーカスを当て、“このエンジニアみたいになりたい!”と思えるきっかけを生みたいと考えています」
西選手:「CoREは競輪とオートレースの補助事業が活用されていると聞きましたが、どんなメリットを感じていますか?」
川節さん:「選手権を開催する際、最もネックになるのが費用の工面です。でも今年は競輪とオートレースの補助事業のおかげで、こんなに立派な会場で開催できました。また、プレイヤーをかっこよく見せる演出などにも力を入れられ、とても有り難く感じています。世間の人がロボットをより身近に感じられるよう、またつくり手の魅力が世間にもっと伝わるよう、今後も頑張っていきたいです」
西選手:「素敵な取り組みだと思います。これからも応援しています!」
「あのエンジニアのようになりたい」や「あんな風にロボットをつくる人になりたい」と、夢を見つける人を増やすために奮闘する川節さん。彼のように頑張る人や企業をこれからも応援できるよう、競輪とオートレースの補助事業は活動を続けていきます。